観光銀行 2019 5 5

銀行業務は必要だが、今の銀行は不要だ。
(ビル・ゲイツ)

書名 銀行員は生き残れるか
著者 浪川 攻  悟空出版

 農家によっては、農作物の市場価格が下がると、
市場へ出荷をやめて、
「観光農園」を始める農家があると聞いたことがあります。
 さて、この本には、興味深いことが書いてあります。
要約すると以下のとおりです。
 2023年、東京オリンピックが成功裏に終わって3年が経過した。
訪日外国人は、減るどころか、ますます増え続けた。
 数年前までは、日本製品を大量に買っていた外国人は、
やがて、日本での体験を重視するようになった。
 両親や祖父母から昔話のように聞いた、
「昔は、商品を買う時、現金で払っていた。
財布から紙幣というものを取り出して、商品を買うと、
お釣りが紙幣やコインでもらえた」という体験が、
日本で体験できるとSNSで拡散していた。
 日本にやってきた外国人は、
最初は、ATMという機械で、
「現金というもの」が出てくることに感動して、
それが飽きてくると、外国人は銀行の窓口に押し寄せるようになった。
 外国人にとっては、
銀行員が紙幣を扇型にして数える光景が、
まるで「手品」を見るようで目を丸くして眺めてしまう。
こうして銀行が「観光地化」するのには時間がかからなかった。
(引用、以上)
 今でも、こんな話を聞いたことがあります。
中国人が日本にやってきて、最初にやるべきことは財布を買うことである。
 極限までキャッシュレス社会が進んだ中国においては、
両親から「昔は、買い物をする時は、財布を使った」という昔話を聞き、
「私も、そういう体験がしたい」と思っても不思議ではありません。
 この際、世界のスピードについていけないならば、
それを逆手にとって、あえて伝統を守って、「観光地化」する方法があります。
「京都」も「小江戸の川越」も、昔が懐かしいから、観光客が押し寄せるのです。
いっそのこと銀行も観光地化すれば生き残れます。




























































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